総量規制の壁
貸金業法の改正から1年以上経過しました。
改正の目玉として注目を浴びていた総量規制、年収の3分の1までしか借りられなくなるというものですが、当初は借金の額もかなり減っていて、さほど気にしてはいませんでした。
しかし借金というものは怖いもので、借りられる”枠”があると、まるでいつでも引き出せる「預金」のような感覚になっていきます。
気が付けば負債は3ケタを超え、年収の3分の1という壁にぶつかりました。
借金の総額が100万円を超えると、収入証明を出さなければいけません。
自分の借金ですから、年収の3分の1をオーバーしていることは知っていました。
今迄なら借りてなんとかなると思っていたのが、ついに借りられない状況に陥り、この時はさすがに参りました。
借金の事を忘れる事ができたのは、夜完全に寝付いてからのみで、起きている間は金策の事ばかり考えていました。
専業主婦は・・・
総量規制は専業主婦にとってはかなりの痛手となっているようです。
今迄なら夫に内緒で借りられたものが、夫の収入証明と同意が必要になったからです。
私の中学時代からの親友で、現在は専業主婦なのですが、法改正後は突然借りられなくなったと嘆いていました。
総量規制は元々専業主婦はかありる事ができないとされていましたが、流石に反発があって、これでも当初よりは緩和されたものだと聞きました。
こんなの緩和なんて言いませんよね!!
法律を決めた人は金持ちばかりの国会議員ですから、借りなければ生活が成り立たない人の気持ちなんてわからないのです。
聞くところによると、こういった人達の多くがヤミ金で借りているとのこと。
いったい法律は何の為にあるんでしょうか?
ヤミ金を儲けさせるためにやっているとは思いませんが、結果がそうなっている事で、金融に詳しい専門家などの間では、総量規制は即刻撤廃すべきという意見が相次いでいます。
政府はなぜ動かないのでしょうか?
総量規制の緩和・あるいは撤廃は、確かに多重債務者を増やしてしまう事になるかもしれません。
が、それ以上にヤミ金の撲滅や専業主婦の救済、中小企業の資金繰りとメリットも多くあります。
このような「借金」というダークな問題は、規制は厳しくなっても緩和や撤廃となると敷居が高いものです。
パチンコ業界や建築業界、その他様々なところでも同じ事が言えます。
何か一つ問題があると、すぐに規制です。
牛肉の全頭検査しかり、レバ刺の消滅しかり、原発問題もそうですがあれは次元が違うとしても、どうして日本はいつもこうなんだろうと思います。
そうそう、中央高速のトンネル崩落はビックリしまた。
亡くなられた方・ご遺族には本当に不幸な出来事でした。
この事件で「老朽化」というキーワードがクローズアップされていますが、古い建造物を管理する業界はこれから大変だと思います。
あ、「総量規制」のテーマから随分と脱線してしまいました。
言いたかった事は、何でもかんでも規制で縛りつける今の世の中の風潮は、間違いなく経済をダメにします。
人の命に係わる部分は徹底すべきと思いますが(今回のトンネル事故のような)、それ以外は自由経済・自己責任でいくべきだと思います。
少なくとも、高度成長期の日本はそうだったはずです。
現代の規制社会、早く手を打たないとクレーマーが世の中を支配する世界になってしまいます。
そう思えてしかたがありません。